野菜の無人販売所に置いてある料金箱を見ると、日本はすごい国だなとあらためて感じます。写真は山梨県にあった無人販売所です。拙宅(八王子市)の近くにもいくつも販売所はありますが、たいてい料金箱は針金でくくり付けになっているブリキの缶であったり、売り場の棚や壁と一体になった木の箱であったりします。つまり、料金箱を持って行かれないような工夫をしてあるのが普通ですが、ここの販売所では金属の工具箱に硬貨を入れる穴が開いているだけで、どこにも固定せずに売り場にポンと置いてありました!もし、誰かに持って行かれたらどうするんだろう、と思わず考えてしまいました。
壁には「正直は一生の宝なり」と生真面目な綺麗な字で書いた貼り紙があります。きっとこれを見たお客さんはよもや悪いことをするまい、と見切りの利く親父さんが貼り付けたものに違いありません。もしかしたら、このお店のご主人は元小学校の校長先生で背筋をピンと伸ばして、習字のお手本通りにきちっとした丁寧な字を書く方かも知れませんね。
これを見て、やはり日本はすごい国だなあと感じます。大変大雑把な言い方ですが、これが他の国だったらどうなるだろうかと予想してしまいます。何でも盗られてしまう国だったら。
海外旅行が解禁されブームになっていた頃の笑い話ですが、イタリアで日本人観光客が三脚にセットしたカメラのセルフタイマーをかけてポーズする場所に走って戻ってカメラの方を見たら・・・すでにカメラは盗られてしまって無かった!というのがありました。
古来、陸続きの大陸にある国家は互いに侵略の歴史を繰り返して来たことが普通です。手に入るものは手に入れ、食べるものは食べてしまわないと、逆にいつ誰に盗られるか分からないからです。これが普遍的事実です。
例えば中国人は明日に取っておくと誰か盗られてしまうから、今日食べてしまう方が良い、という考え方でした。ところが、日本は島国であって近世まで侵略された経験が無かったので日本人の精神文化の形成に当たって大きな影響がありました。自分よりまず相手のことを考えても、異民族に侵略されることまでは無かったからです。日本こそ世界の秘境なんですね。

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