1960~70年代の映画によく出演しているのがハンス・クリスチャン・ブレヒ(Hans Christian Blech)というドイツ人俳優です。早い話、戦争映画によく出演するのですが、上官に正論を叩きつけて左遷されるといった感じで、任務遂行より戦争自体に懐疑的なところを演技しています。バルジ大作戦ではロバート・ショウ演じるヘスラー大佐の運転手コンラート伍長でしたが、大佐の戦争遂行精神に満足せず、異議を唱えて歩兵部隊に回されました。ユーモアとペーソスたっぷりの役者さんでした。ドイツでは戦前から舞台に立っていたそうです。
筆者の好きなドイツ人俳優の一人が、このヴォルフガング・プライス(Wolfgang Preiss)です。ヴォルフガング・プライスは1910年生まれで30年代にすでに初舞台を踏んでいました。大戦時はドイツ国防軍から兵役の免除を許されたようです。戦後60年代からはアメリカなどの海外作品にも積極的に出演し、フランク・シナトラ、バート・ランカスター、ウィリアム・ホールデン、リチャード・バートンなどと競演しました。特にドイツ軍人の役を抜群に演じて高い評価を受けました。写真は「遠すぎた橋」で、西部軍総司令官ゲルト・フォン・ルントシュテット元帥(Gerd von Rundstedt)を演じるヴォルフガング・プライスです。