府中市の郷土の森博物館の小学校に保存されていた古いオルガンです。小学校にはオルガンが良く似合います。
オルガン独特の籠ったような和音が、油の染み込んだ教室の床に響き渡り、子どもたちの歌声が曇りガラスの教室にこだまする懐かしい思い出の一場面が、ある年齢以上の日本人なら誰しも脳裏に浮かぶことと思います。
まさにアナログの合唱と伴奏が進行する心休まる平和な時間がゆっくりと流れていたように思います。現代の教室はおそらくはCDか通信回線の伴奏で狂いのない、しかし遊びのない正確なデジタルな時間進行ではないでしょうか。
でも、デジタルは何か人間的でないような気がします。やはり、アナログ的な時間の進行こそ人間の精神衛生上で必要不可欠なのではないでしょうか。

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