かつて高校時代に本格的にサイクリングやハイキングを始めた頃、とある古書店で買い求めたのがこのガイドブックでした。実業之日本社のブルーガイドブックスと言えば、山渓のアルパインガイドと双璧をなすハイキングのガイドブックを網羅していたのですが、私はさらに古い版のハイキングガイドに惹かれていました。
この本は昭和38年度の版ですが、元々は昭和30年度の新聞掲載のハイキングの記事を纏めて本にしたものです。何といっても頁をめくる度に懐かしさ一杯で、モノクロ写真に色をつけたようなカラー写真と、見事に簡略化された分かりやすい地図に目が釘付けです。
著者の沢田武志さんは戦前から登山界に経験の長い大先輩で新ハイキングの創設と編集にも関わられました。どれだけ沢山の方がこれを読んで山を歩いたでしょうか。私の本には多少の書き込みもあって、このガイドブックが持ち主とともに一体どこの山まで行ったのだろうと考えると、まったく感無量、思考無限です。
かつて私の親の世代が昭和30年代に夢中になっていた頃の気分に戻って山歩きをしたいです。地図は五万図で十分で、GPSナビや掲載電話も不要で行きたいですね。


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